それだけのこと
アラガイs
藤棚をみて終わりにしたい
そう思いながら隣の庭が消えてしまう
積み置かれた状況 不要物
必要なものだけを鞄に詰め込んで
きみは何処へ行くというのか
即興で書いているとつい忘れてしまう青紫
秋には棚から無数のカタログを取り出し
別れを告げたのは幻だった
新しい家が建てば古い家もなくなり
聞こえてくる子供たちの声も変わる
ただ それだけのことを書いている
煙草を吸わなくなってから六年が過ぎた
それでもくるぶしは待ってくれない
真夜中の壁に張り付いた小さな家守の自信
雨がおちれば水滴もかたまり
そして西から風が吹く
たしかめた 庭先に植えた紫陽花も大きく成りすぎて
あなたは雲になる
日めくりだけがたまる
それだけのことを