人間開花
ミナト 螢

君の腕の中に横たわり
安らぎが散らないように
僕の呼吸を置いたら
君の産毛が逆立っていった

知らなかった花を見るように
君のことを観察したい

肌の光り方とか
爪の切り方とか
どうでも良い癖に
気になって仕方がない

何か食べたくなったら
答えに一番近い駅で
待ち合わせをしよう

触れて舐めて
時々、驚くように
君の内側へと
近付くためのロケットで

さっきまで怖いと思ってた
知らない場所の地図を
一緒に飛べるのなら

目を閉じたまま
空を描けばいい

僕等の夏だけが
吸い込んだ息で
青くなる


自由詩 人間開花 Copyright ミナト 螢 2023-08-27 18:48:46
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