ビーチサンダル
atsuchan69

ぼくはどこへゆくのかなぁ
ポケットにビー玉がじゃらじゃら
麦わら帽子に少し汚れたランニング
ビーチサンダルの鼻緒はブルーだった
あの頃のぼくはもういない

灼熱の街を黒い革靴でさまよう
歩いても歩いても
なにも始まらなかった
自動販売機で冷たい飲み物を買った
あの頃のぼくはもういない

夜が街の煌めきを見下ろしている
光の筋が蠢いていた
レンタカーに乗ったふたり
ぼくには君がプリンセスに見えた
あの頃のぼくはもういない

ぼくはどこへゆくのかなぁ
とりあえず古い家を改築した
子供たちもいつのまにか巣立って行った
お揃いのビーチサンダルを履いている
妻と濡れた砂浜をどこまでもゆく



自由詩 ビーチサンダル Copyright atsuchan69 2023-08-12 04:30:38
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