「うん、わりと平気」
モリマサ公

ODなんて体に悪いよ~ぅ
って言われたりするけど
体に良いと思って
ODやってる人なんていません。
酒も煙草も同じでしょ?



「うん、わりと平気」



ケモノ達が
悲鳴をあげながら
真っ暗に暮れて
季節の無い
アスファルトに
沈み込んだ人たちが
不意に上げる声
風に巻き上がる
珍しくも無い
コンビニ袋が
トラックにひかれて
街中をゆっくりと走る
タクシーは
我々のすれすれを横ぎる
どこかわからない場所に
連れて行かれてしまう
快速を待つ少年の記憶は
ピクリとも動かず
今朝も
薄汚れた明朝体で
あふれる新聞が
隅で弱っている
風邪薬100錠飲んで
水色の錠剤を飲んで
少女が倒れている
数少なくなった人たちの
いる広場に
上がる笑い声
鳩が翼を広げる午前5時
今それぞれの場所で
それぞれの理由で死んで行く人々のことを
確実に思いながら
シャッターを切る


無い水たまりに
うつる
顔のない自分に
優しく言葉をかけ
大人たちが
レインボーブリッジで
急に散骨したり
山の稜線から
信号待ちの停止した
群れまで
つながっていて
え?目に見えない力
が働いて
駅のホームの椅子に
ずっと座って
え?また夜がくるのか
ほんとにそんな感じがする

胸が痛い
調子悪くなって
毛布かぶって
泣いてる
常に選択肢が
ある状況
ってしあわせなことなんだよ
成功する人は成功しますもん
マジで今の自分をさっさと
過去にしたい
へんなカウンセラーと
話すよりも
タバコ吸って酒飲んだ方
が絶対いいです
感情の劣化ってゆーか
マジ恋愛の劣化版みたいな
ほんとそういうものにしか
感情を動かされない
みたいな人たちの
危機感感じますか!?
君が
僕が
生きる
とか死ぬとか
そんなんで
世界と向き合えるのか?
マジで
ガレキのなか集めた言葉の
群れを片手に
ゆっくりとアクセルを踏む
六花亭でお土産を
買ってチョレートをばりばりとたべ
未来ゆっくり
車道に現れるヘラジカに
ゆっくりと
ブレーキを
踏んで写メをとり

あなたの
やってることは
正しいと言って
抱きしめてもらいたい

アイフォンの光が
暗い夜道に灯っている
ニュアンスは
それぞれに違う
「だって
こんなに死にたいとおもってるのに
お笑いみると笑うやん
なあ」
生きたい
生きたいね


自由詩 「うん、わりと平気」 Copyright モリマサ公 2023-07-19 11:03:53
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