とんじゃく
atsuchan69

道の途中で、
一緒の者が笑い始めた
相棒は笑いながら
「もうお終いだよ」と言う
そんなことはないよ
いつか終わりかどうかじゃなくて
僕たちはちゃんと生きている

相棒は歩くのを止めた
どうして? 
あきらめるなよ
――馬鹿だな君は
そう言って暗闇に消えてしまった
そして僕は一人になった

僕たちはちゃんと生きている

眼を瞑ると、
あの時の相棒の貌が浮かぶ
けして終わりじゃなかったのに
暗闇の中で相棒は
心から終わりを信じていた
――馬鹿だな君は
ああ、そうかも知れない

まだ終わらない
険しい道の途中だった


自由詩 とんじゃく Copyright atsuchan69 2023-07-01 12:49:42
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