地雷電力
イオン

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自動車メーカー各社の首脳会議で
2030年までの新車EV化に対して
今の電力供給体制では賄えそうにもないことから
新車製造事業から中古車再生事業に
軸足を移すことが提案され検討に入りました

メーカーの談話です
「クルマは高い日用品になりました
 壊れるまで使うという時代になりつつあります
 ましてEVへの様々な問題と制約がある中で
 我々が生き残るのには新車製造だけはでなくて
 現在の製造環境を断ち切ることなく
 中古車へのパーツ供給やリビルトサービスをすること
 それがこれからの流れではないかという結論です」

山本さん、いかがでしょうか?
「そうですね
 実は旧車ブームで昭和のクルマが高騰していますね
 あるメーカーでは既にリビルトサービスを始めており
 50年前のクルマでもしっかり直せば走るんですよ
 今のガソリン車もこれから先50年間走り続けることができるのに
 メーカーが部品供給をしないからスクラップにされる訳です
 環境問題や庶民の経済事情もありますので
 これからはリユースが当たり前の社会になると思いますね」

山本さん、中古車を乗り継いでいくということですが
それでは脱炭素社会に反することになりますよね?
「化石燃料で作った電気で走るEVは 
 炭素が出る場所がガソリンエンジンから発電所に
 変わるだけで脱炭素ではないんです
 本気で脱炭素社会にするなら原発ですよ
 各都道府県に原発を置かないと足りないのです
 EV化してしまえば否が応でも原発が必要になるという
 クルマ社会を人質にしたエネルギー問題に
 業界がノーと言ったと私は見ています」

なるほど
各都道府県に原発ですか
山本さん、過去には地下に原発を作ろうという
動きがあったらしいですね?
「よくご存じで
 地下原発は地上より地震の影響が小さくて
 他国からのミサイル攻撃も避けられますし
 事故が起きても放射性物質を出しにくいなどの
 メリットがありますが建設コストとこれらメリットが
 既存の地上原発を否定することになると進められなかったのです
 しかし今は、この三つのメリットが必要な時代となっていますね
 ただね、原子力発電は原子力爆弾の平和的利用であって
 地雷の上でEVを走らせる未来は、ちょっと怖いですね」


自由詩 地雷電力 Copyright イオン 2023-06-17 12:39:57
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