六本目
坂本瞳子
初めて触れた彼女の素足は
子供のように小さくて
すべすべとしてなめらかで
指が六本あったけれど
幸せを運んでくるための
六本目なんだと
そう言ってくれた彼女の笑顔が
愛らしいことこの上なく
だからもうそれでよかった
小指と薬指の間に
一関節分くらい
ちょこんとのぞいているそれは
きわめてかわいらしく
たしかにボクを幸せな気持ちで
満たしてくれた
自由詩
六本目
Copyright
坂本瞳子
2023-05-16 23:20:15