錯綜する思惑(十三)
おぼろん

一方戦士エイソスは、オーバ・ニーチェに感化されようとしていた。
この国の将来を決めようとしている時に私情は禁物なのである。
イリアスを助けようとしていることは良い。
しかし、アイソニアの騎士は今後どうなるのか?

戦士エイソスは、軍国ラゴスの動向も気がかりだった。
アウゼル・ローガンテは海外から兵士たちを召喚しようとしている。
(まさか、先の大戦よりも今回の戦いは激しくなるのではないか?
 現に、ファシブルの国土の半分はアースランテの支配下にある……)

今、ファシの街は、アースランテの八万の兵で包囲されている。
対して、ファシブルの軍勢は六万である。勝敗は決したかのようにも思われた。
しかし、ファシブルの女王マリアノスにも奇策がある。

今ここで、アースランテとファシの街の戦端は開かれようとした。
それはライランテ戦争でも、随一の戦いだった。
ハッジズ・ア・ラ・ガランデは、この戦いの雌雄を決しようとした。


自由詩 錯綜する思惑(十三) Copyright おぼろん 2023-05-15 13:46:33
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