コバルトブルーの涙
久遠恭子

音韻を小瓶に入れて思い切り放り投げた
海岸線を歩けばカモメが鳴いて
子供達がはしゃいでいる

それを横目で見ながら
私はするりと通り過ぎる

明るさはいつも影を落とす
その事が私の胸を締め付ける

壊れた石ころ
擦れる貝殻の音
点滅する灯台の明かり
海辺に浮遊する昼と夜

歩いても辿り着かない
パラレルワールドの中で

音韻を小瓶に入れて思い切り放り投げた
花びらをそっと添えて


自由詩 コバルトブルーの涙 Copyright 久遠恭子 2023-05-11 00:24:50
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