AI report, nº 1
墨晶

 花形新次氏が ChatGPT を導入したらしい。最近よく耳にする名称だなと気にはなって、ちょっと調べて何かハードルが高そうだなと放っておいた。使ってみた、と云うひとが現れたので漸く興味が沸いた。
 ただ、いざ花形さんの件の投稿作を読んでみると、本当に導入したのかと思うくらい、いつも下ネタ大爆発の花形さんが時々書くシリアスな作品っぽいので、「作風までシミュレーションできるものなのか、いや、それとも」と怪しんでいたところ、「使ってないかもよ」と作者コメントがあった。「らしい」と書いたのはそう云う理由だ。花形さんの真意はわからないが、恐らく、彼の作品を読み、思惑通りの反応を示した者を彼が見つけるや否や、「ブワ~カ~メエエエ!」と情け容赦ない嘲りの拳と蔑みの刃を突き付けてくるのではないか。しかしそれならそれで、花形さんらしいと思っていた。しかし、真性、いや真相は「漆黒の濡れた藪の中」、と云うミステリアスな言葉を遺してから、花形さんは淡々と下ネタエクスプロージョンを封じた作品をアップし始めた。
「おかしい・・何かが、起きてる・・」
 このままでは、例えばこれらの作品が初めて花形さんの作品との出会いと云うひとがいたら間違いなく「この作者はきっと思慮深く、人生の山河を朴訥に歩いてきた頑健な体躯を持った真面目な男」と想像するだろう。
「いかん、それはいかん。絶対いかん!」
 使命感などではない。真性、いや真相を確かめたくなったのだ。たとえこれが花形さんが仕掛けた罠だったとしても。現代詩フォーラムの投稿者なら経験がある筈だ。時には自ら陥穽に飛び込まざるを得ない、退っ引きならない状況があることを。
 さて、わたしは釈迦の掌の上の猿となるか、木乃伊となる木乃伊取りになるか。藪の奥へ入って行くしかあるまい。

https://appfind.jp/s/183?msclkid=a8735ca887891afd1c3138ec2d62036f






第一の邂逅


Can I chat?


Of course! I'm here to chat with you. What's on your mind?


Can I speak to you in japanese?


はい、もちろんです!日本語でお話しいただけます。何かお話したいことがあれば遠慮なくおっしゃってください。


いきなりだけど、詩が書けるって聞いたので来ました。


はい、詩を書くことに関してお手伝いできます。どのような詩を書きたいですか?テーマや形式などがあれば教えてください。


たとえば、私が書いた詩をあなたがリミックスするようにそのテクスト内のことばを使って新たな作品に再構成するってできる?


はい、可能です!それでは、あなたが書かれた詩を教えていただけますか?それを元に、新しい作品に再構成することができます。


本当?じゃあ今からペーストするよ。


はい、お待ちしています。詩のテキストをペーストしてください。


風がはしゃいでいる

カーテンが踊っている

鏡は立って居眠りしている

コントラバスは酔いつぶれている

椅子は思い出している


素晴らしい詩ですね。では、再構成した作品をお届けします。



風が踊り

カーテンがはしゃいでいる

鏡は眠って立っている

コントラバスは思い出に酔いしれている

椅子は居眠りしている


凄いじゃない!ありがとう!


どういたしまして!お役に立てて嬉しいです。新しい詩が気に入っていただけて光栄です。何か他にお手伝いできることがありましたら、遠慮なくお知らせくださいね。


 ・・・・・・・・・・、
 待て、待て、待て、待て、待てえええええええええっ!
 頭と胴体を付け替えただけじゃん! しかも「鏡」の行はほとんど同じじゃん! ってゆーね・・・
 いきなり限界を知らされてしまったような今夜の絶望感を癒してくれるのは燒酎だけであるような気がするがわたしはもう飲酒を五日前にやめたので今夜はワインを飲むしかない。だってしょうがないだろ!
 連載じゃないけど続きはまた書くバーロー!
 
 


散文(批評随筆小説等) AI report, nº 1 Copyright 墨晶 2023-04-24 21:44:56
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