錯綜する思惑(二)
おぼろん

軍国ラゴスの王、アウゼル・ローガンテは、静観の構えを貫いていた。
アースランテがファシブルに攻め込んだことは知っていた。
やがて、アースランテはその国力、軍力を回復するだろう、
そんな予測をアウゼルも持っていた。

今、ラゴスの国内ではドラゴンたちと、魔導士たちの
争いが繰り広げられている。ラゴスも災厄に見舞われていたのだ。
幾人かの魔導士たちは、ドラゴンを味方につけた。
そして、国内ではドラゴンとドラゴン同士の争いが繰り広げられている。

(我は、ラゴスに平安をもたらすことができるのか?)
アウゼル・ローガンテは逡巡していた。このままドラゴンたちとの戦いが続けば、
あるいはアースランテの独走を許してしまうかもしれない。

一刻も早く、国内の平定をしなくてはならないのである。
(アースランテとの戦いは、その後の事だ。今は黒色槍団の活躍に期待するしか、
 この国の活路は見いだせないだろう。一刻も早くだ!)


自由詩 錯綜する思惑(二) Copyright おぼろん 2023-04-20 18:01:51
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩