ノンセンス2〇言葉の向こうに
ひだかたけし

アスファルト割り
僅かな隙間から
タンポポの黄色い花、
群れなし道端に映える

この執拗な生命の生育に
意味はなく意味もなく眼、
惹き付けられる
僕という人間にも
意味はなく
只 泰然とこの世に今 在り

言葉付与すれば
其処に否応なくリアル
意味規定限定されてしまう
どっちらけナンセンスから
逃れるために言葉遊びしても
所詮、それも
意味もない意味を帯び

アスファルト割り
僅かな隙間から
タンポポのまぁるい綿毛、
無数の命を風に乗せ
散らし枯れていくことの
この瞬間瞬間の豊穣無限

言語発生以前・以後の
宇宙のこの純粋な流れの痕跡
僕たちひたすら
後追いしながら
捉えようと
原初の赤子の生まれたての
ほっかほかから叫び上げ
リズムとしての
感覚から自由な
思考を試行し

今日、春日 日の光、照り溢れ
無数無限のタンポポの黄色い花揺れ
無数無限の命、風に乗り運ばれ
生成し死滅し循環する、奇跡

目に見えるもの言葉の向こうで
目に見えないリアルノンセンス、
今の今にも踊って躍って









自由詩 ノンセンス2〇言葉の向こうに Copyright ひだかたけし 2023-04-14 16:15:35
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