メモ
はるな


つつじが咲きはじめた、早い木はもう満開。
ことばが出てこない。
むすめはきちんと学校へ通っている。(新学期初日は、自分で選んだあたらしい靴下を履いていった)
冬には乾いて音がするようだった頭が、こんどは水ぶくれみたいにおもたい。
そうしなきゃならないことだけをして暮したいと思いながら、
ぜんぜん必要のないお菓子ばかり買ってしまう。
恋をおもいだした。(プラスチック製のやつ)
ぺらぺらで軽薄で、柄のついた洋服を買う。インターネットで、クリックだけで。
うちのすずらん、引っ越しばかりしたせいか、2年連続で花をつけない。
アネモネは咲いた。ラナンキュラスと、ちいさいチューリップも。
すこしのトレーニングとランニング、ストレッチをしている。でももちろんそれですべては解決しない。どころか、ほとんどなにひとつ解決はしない。時間の埋め合わせにはなる。
この部屋は、風が強くてもしずか。
コーヒーをのむと動悸がするようになったので、カフェインレスコーヒーをのむ。
(ばかばかしいことかもしれないと思いながら)
それよりももっと多くの湯をのむ。そのために1日に何度もお湯は沸かされる。
言葉が出るまでの、文字の羅列に、気持ののらない文字たちに、いくつもの呪いに、
それもこれも春のため、と思いながら、思い込ませることで、呪いが更新される。


散文(批評随筆小説等) メモ Copyright はるな 2023-04-13 14:15:29
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
メモ