橋は燃え上がり
佐々宝砂
橋は燃え上がり
燃え上がる橋をわたしはゆく
蝉は二次元の丘で鳴く
その声があなたに聞こえるか
蝶は死とすれ違いながら羽化する
その身じろぎがあなたに伝わるか
いつ、と問うな
どこで、と問うな
汗に濡れたシャツは唄わない
よごれた皿は踊らない
けれど
蝉は二次元の丘で鳴き
蝶は死とすれ違いながら羽化するのだから
その声に耳を傾けよ
その震動を肌に覚えよ
橋が燃え尽きるとき
あなたは私を知るだろう
自由詩
橋は燃え上がり
Copyright
佐々宝砂
2005-05-10 00:54:18