車窓の風景
八重もぐら
新幹線の旅はあまりのスピード故に車窓の風景を楽しむ余裕がない。
しかし、所々に印象的な風景を魅せるところもあり、気付いたところを折りに触れ紹介したいと思っている。
二月二十七日
小倉からの帰路、京都駅を出た新幹線は琵琶湖の下の方を回り込む。
車両は比叡山の遠い円周上を回るので、比叡山の二つの丸い山が円の中心として、暫く車窓にとどまることになる。
間に在る柔らかな青色の琵琶湖の湖面を数秒だけ望むポイントがあり、見えようもないのだが、湖面のさざ波の色を見た気分にだけは浸ることが出来る。
追いかけて腰を浮かしてみるが、もう見えず、ただ一瞬の遠影である。
いつしか比叡山が後ろに遠退いてゆくと、雪を頂いた連山が見えてくる。
地(じ)は黒青色に、頂いた雪の白色の対比が神秘的なほど美しい。
車窓の奥に雪姿の連山を撮った絵葉書が置かれているような錯覚にとらわれる。
地図でその方向を調べるが、さして高い山は見あたらず、可能性のあるのは高島の連山だろうか。
また、よい風景を観たら紹介したいと思う。