慟哭の森
ハァモニィベル

どこか彼処に 青銅で拵えた 

どこか窶れた 悲痛な相貌が

響くように 叫んでる気がした

判断を乞うような壊滅の序曲を 頻りに引っ掻いて

それは、永く痒がっている

一群れの中からも また その外からも 聞こえて来る

鳴り響く 唸りだ

まだ来なかった時を過ぎ、

もはやもう来てしまった時だけ過ぎる中を、

激しい炎に満ちた水面の上を、

あまりにもナダラカに膨れてゆく、

  金色の涙の背中へ。 

全員がみな 独り濁声で唱いかけている

瘡蓋のように変色した唇を、思わず掌の内に入れてはみたが、

掌は絶えず痙攣して、ボタボタと唱を垂らし続けてる

  ような、

気がした。

ただのブロンズの様な、枯葉の森で 







自由詩 慟哭の森 Copyright ハァモニィベル 2023-02-21 22:31:45
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