美しく雪が降る
山人

命の外側で雪は軽やかに息をしながら降っている
どこからともなく、螺子を巻かれたわけでもなく、
静かに乾き、ひとつの可能性のために降り積んでいくかのように

しらんだ冬の
おっとりとした、
湿気のある日々が失われるとき
またしめやかに旅が開始された

いくつかの引き出しに仕舞い込んだ玉手箱を出して顔にあびる、
そうすることでまた冬になる
撫で肩の冬が失われ、
刻々と戯れをやめた雪が錆びついた白にくさびを打ってゆく

玄関には新しい花束が届けられて
それはついさっきから届けれた新鮮な色合いと
いくぶん青く冷めた息をしていた


自由詩 美しく雪が降る Copyright 山人 2023-01-21 10:37:43
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