冷気
日々野いずる

目詰まりしているって、手元のリモコンでは弄れないエアコンの空気が冷えきったままの部屋を行ったり来たりして、行ったり来たりして、ああ、そのままだ、リモコンでは掃除できない、手を伸ばして正しい掃除法を試す、お風呂で全部埃を洗う、天日干しする。なんでこんなことしなきゃいけないんだろう。新しい頭がほしい、全てが重くのしかかっている妄想だと知っているけどどう考えても空気と重力が重い、ウケる、そんなことないのにねって、誰かが言ってる、冷笑的で悲しい頭、なくせばいいのに、怖いも寂しい楽しいもつまんないも素直に言えなくなって大人になったという事、つまらなくて悲しい、思う、隙間風の音、まだエアコンのフィルター乾かない、誰もいないから耳鳴りする、立ち眩みで目の前もなくせばいいのにね、何かを見つけたいと思うからこそ、目が疲れる、そうやって諦めた、青ざめた顔で、布団もぐって、凍えて、早くあたたまれと祈る


自由詩 冷気 Copyright 日々野いずる 2022-12-26 20:36:24
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