花畑
ふるる

花を摘んだの?

群青に沈んでゆく
風の流れてゆく
窓辺で
聞かれて

君の後れ毛を
遠くに感じて

僕は急に
君の腕をつかんだ
とてもやさしい腕を

君は驚いてそして笑った
腕が痛いと

僕の手は
花の匂いがして
花を摘んだように
罪の匂いもして

花を摘んだの?

群青に沈んでゆく
風の流れてゆく
窓辺で
聞かれた

いいや

僕はいくら摘んでも摘み足りない
花を

手に触れることすら
掴むことすら
窓から望むことすら

してはいけない
かもしれないのに
わかるかい

ほら
君の腕は

とてもやさしいね

乱暴な僕の指に
全てを委ねて
許して

触れさせて
掴ませて
望ませて

君という花は
君という花畑は

とても

夜に滲んでゆく
風の伏せている
窓辺で

僕の惑いの理由を

探すこともなく


自由詩 花畑 Copyright ふるる 2005-05-07 23:58:37
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。。。。。恋愛詩っぽい。。。。。。