猶 なぜ 拾い集める
あらい

ずぼら一夜は古く染み渡り多くを喋れない 
新しく注ぐ液体に有る、
天体は衝突した
一対の豚とモノラルを舐めるようだ
片耳のジャズを覗き見る、
左右は甘い、
よく儲かる香炉から外れている胚芽を催す
片端の喃語を受け入れる、
喉を鳴らしたなら
ふしくれの鋭利な刀は数あるビジョンを殺める
戦場の菱形を距離遠く追いつけない 
もはやこれまで。光源は砂糖黍畑へと見做す
まさぐる手筈とする、化するような戯れのような
最終章 仰せのままに 
卑下を摘んで着る きぐるみを培養駅に返す 
乗り遅れた文書を充てがう 受話器を倒れないように
傍らから支えてあげよう
ノルマの無いマジックミラーで空腹を満たせるか
宝飾の答弁を空色へ クリームが破綻している
黄金の虚妄、スイング、これこそ永久の影絵、
青い裸電球の疑似
『三匹のトルソー』
転がる喉、刎ねる筝と琴、弾く軸、鈍らな羽
蹌踉めくものだったね/貉たちは/予想通りの
火花を自己暗示する一筆を 黒鉛と真珠は歓び
下品な多言語が舌を楽しませる
挽きたてのトゥルーエンドは嫌味がない
ただ聖職者は死んだ
生々しい藍と内臓は見世物であるか否か
返却不可のジオラマの幼生を重うとき
護美箱とサナトリウムは結びつく
あの星座はなんというか
外連されるものだと ふところへ、
応えもないが。


自由詩 猶 なぜ 拾い集める Copyright あらい 2022-11-25 20:34:36
notebook Home 戻る  過去 未来