肉と私
ひだかたけし

虚空を見つめる
あなたの眼差しが
まるで異星人のよう

わたしには余り時間が残されていない

在るものを凝視しながら
進む時を生き
在るものの輪郭を確かめながら
肉体に滞在し

音の響きに聴き入る
あなたの相貌が
まるで異星人のよう

私は誰?
私は誰?

肉に表し、肉に現れ

引き摺りながら この器を
見極めながら この相を

付き合っていく、失わないよう
離れていく、立ち位置を確かめ

静けさが私を包む
束の間の一体
苦痛がやって来る
いつものこと

もっとひろくおおきな世界を目指し
もっとふかくとうめいな次元を目指し

わたしは生きる、
残された時をカウントしながら

やわらかくやさしくひらかれ
あらあらしくおどりひらかれ

この白い小部屋にて
冷たい氷、掬い取り

貴女を待ちながら、在ることを抉り
貴女を待ちながら、在るものの生々しさに

わたしはいきる、私は生きる

今日も世界は美しかった、
今日も世界は残酷だった、









自由詩 肉と私 Copyright ひだかたけし 2022-10-28 19:51:39
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