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 雨


雨ではじまる朝ね

ちぢむコーヒーカップ
波音も知らなくて

日向のない
うす灰いろの空へ
ひろがる羽根が欲しいよ

鏡に映ってる
まだ新しいシャツの
ちいさな染みが痛いよ

あなたのからだの
幾つかの窪みで
澄んだことばが
ゆくえ知れずの花と
仲よくなれずにいて

あたたかな毛布の手ざわりに
肌うらで感じる
このままでいたい、って

時をなくした朝

誰かに気がつかれるまで
わたしはほんとうに
わたしでいられる

雨ではじまり
雨のままおわる



自由詩Copyright soft_machine 2022-10-15 13:52:19
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