ハーレスケイド、探索(五)
朧月夜

「対価? それは何なのだ?」──威厳と自信を取り戻したかのように、
アイソニアの騎士が言った。彼は今、アースランテの千人隊長という、
身分などかなぐり捨てたようであった。彼はただ、エインスベルの一傭兵、
あるいは、クールラントの国土を闊歩する、一無頼漢のようにも見えたのだ。

「言葉を変えて言いましょう。あなたがたは、仲間ではないのですか?」
オーマル・リケイディアは、彼ら三人の思いに割って入った。
「心を一つとした者たちにしか、虹の魔法石は手に入れられません」
「仲間……? わたしどもは仲間ではありません。しかし」と、ヨランが言葉を引き継ぐ。

「目的を同じくしている、という意味であれば、その通りでしょう」
「目的? 目的という言葉の意味が分かりません……」オーマルが問い返す。
「目的を知らない? あなた様は、本当に人間なのですか?」ヨランが驚いて言った。

「わたしは人間です、ドワーフよ。しかし、何よりも真実を追求する者なのです」
「なるほどね」そう言いながら、ヨランは考えを巡らせる。「まあ、良いでしょう」
「それよりも早く先に進むのだ。俺たちの旅の目的を忘れたか!」アイソニアの騎士は叫んだ。


自由詩 ハーレスケイド、探索(五) Copyright 朧月夜 2022-09-06 17:38:43
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クールラントの詩