ハーレスケイド、探索(四)
朧月夜
「間一髪でしたね、騎士様」ダルザジアを退けた後に、ヨランは言った。
「ふむん。単なる偶然だ。お前はそんな武器をどこに隠していた?」
「背嚢にです」アイソニアの騎士に対して、ヨランは軽く答える。
その人を小馬鹿にしたような答えに、アイソニアの騎士は義憤を強く抱く。
一行の一人である、オークの傭兵エイミノアも、ヨランには信頼を寄せられないでいた。
そこへ、旅の伴オーマルが分け入って言う。それは、こんなことだった。
「お二方、それともお三方と言うべきでしょうか。あなたがたが、
差し迫った用件でここへいらしたことは分かっております。ですが……」
ヨラン、アイソニアの騎士、エイミノア、そのいずれもが、彼女の存在を
忘れていたかのようであった。三人とも、ややうつむく。己の理想や願望のみに
染まっていたであろう、その心のあり様を思い出したのである。
だが、そこにオーマルは言う。「わたしは、あなたがたの導き手です。いいえ、
そんな傲慢な言説はしますまい。わたしは、あなたがたの真なる願望に添う者です。そのためであれば、
この身が消えることもありません。しかし、そこにはそれなりの対価が必要なのです」
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クールラントの詩