白昼夢
ひだかたけし
なんでもない一日が
なんでもなく過ぎようとして
でもわたしはやっぱりたましいの
不思議な深みにはまってしまい
途方に暮れる
押し寄せる苦痛
沈み込む哀しみ
息をつめて覗き込む
澄んだ泉のなかには
光り輝くナニカが在って
潜って掴み取ろうとすれば逃げてゆく
底抜けの奥底へ
追えば追うほど
するりするりと逃れ遠去かる
底抜け澄んだ奥へ未知へ
そんな白昼夢を
雨打ち歪む脳髄に観た
つかのまの時間の後
わたしのたましいは躍っていた
わたしの思考は躍動していた
わたしはナニカに祝福され震えていた
なんでもない一日が
なんでもなく過ぎようとして
でもわたしはやっぱりたましいの
不思議な深みにはまってしまい
静かに沸き立つ
底知れぬ欲望に包まれる