生動する思考
ひだかたけし

熱く生動する思考が
知覚されたものを捉える
それは例えば
樹木という概念の元に統一され
生々しいこの樹木という存在が立ち上がる

樹木の記憶像、表象は意識のなかで
再現された存在に過ぎない
抽象的思考はそこから
樹木一般という死んだ概念を作り出す

私たちは夜明けと共に太陽に手を合わせる
その畏敬の念は私たち一人一人が持つ感情だ
太陽という生々しい存在は私の知覚と
私の奥底から沸き立つ思考とによって生成する

思考それ自体は誰にも属さない
誰もが共有する普遍的運動だ

私という存在の奥底から
熱く生動し溢れ出て
世界に生きた概念を与える思考は
知覚と協動してリアルな世界を立ち上げる思考は
いったい何だろう?
と私の内面から沸き立つ思考が思考する

私の抱く私に属する独自の感情と出逢い
畏敬の太陽を実在させる一契機である
生きた思考とは?








散文(批評随筆小説等) 生動する思考 Copyright ひだかたけし 2022-08-17 18:48:01
notebook Home 戻る