送り火
ガト

墓参りも行けずに
気になっていた京都の町は
無精者を待たずに
盛大な炎によって
結界の門を閉じる
雨と雷は
上賀茂さんが振り払った気がした
煙と一緒に
みんな登っていく
帰ってしまう
行ってしまう
傍らにいたかもしれない父に
心から詫びた 


自由詩 送り火 Copyright ガト 2022-08-17 01:58:07
notebook Home 戻る  過去