孤独と思考
ひだかたけし

夕闇の静けさと共にやって来る
孤独が
病んだ肉体を忘れさせる
僕は学びながら
僕は体験しながら
此処に留まる
孤立ではなく孤独に沈潜し
他者に限りなく開かれて

青い水平線の向こうに小船が落ちていく
青い水平線の向こうに小船が消えていく

抱きしめて
僕の魂を
抱きしめて
僕の記憶を

この孤独な地平を
内面へと限りなく伸びていく
内奥遥か彼方から
沸き立つ
生きた思考から
私という意識は生み出され
立ち上がる現実へと
限りなく流出していく

僕の孤独は僕の孤独
君の孤独は君の孤独
孤独な内面を貫き思考は到来する
直観というカタチを取って作動する
直観的思考は個別的に作動する
直観的思考それ自体は普遍的なもの

僕らは同じ世界の一部
僕らは同じ宇宙の一部
僕らは同じ、僕らは同じ
僕らは見えない世界の一滴

青い水平線の向こうに小船が落ちていく
青い水平線の向こうに小船が消えていく

今、小舟の前に
広大な世界が展がる













自由詩 孤独と思考 Copyright ひだかたけし 2022-08-15 18:04:20
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