閃光と跳躍と(三)
おぼろん

しかし、ヨランとエイミノアが再び地下室への通路へと潜ろうとしていた時、
一人の来訪者があった。それは、魔導士オスファハンである。
「ねずみがかかったな。わたしの書庫を荒らしてどうするつもりだ?」
オスファハンは、落ち着き払った口調で問いかけてくる。

まずは、ヨランが口を開いた。「わたしどもの目的は……
 ひとえに、エインスベル様を助けることでございます。
 そのために、虹の魔法石の秘密を探る必要がありました」
「下賤の者よ、お前たちには虹の魔法石は、使いこなせまい」

「存じております。エインスベル様にこそ、虹の魔法石は必要なのです。
 わたしどもは単なる手下、あるいは側近に過ぎません」
「お前のような者をエインスベルが雇っているとは……」

「あなたは、エインスベル様との関係を清算したい、とお思いですか?
 エインスベル様はあなたの養女であり、最高の弟子であったでしょうに?」
「暗黒面に落ちた娘を、父親が救うことは出来ぬ。お前が関わることではない!」


自由詩 閃光と跳躍と(三) Copyright おぼろん 2022-08-03 12:22:59
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クールラントの詩