ゴル四題
AB(なかほど)

あたかも 森が海を恋しがるかのように


 僕たちは
 いつかはそこにたどり着けるのか

 僕たちは
 いつかはどこかにたどり着いてしまうのか



 あたかも森が海を恋しがるかのように
 生きてきたものたちが
 いつかはそこにたどり着けるように

 それを冷めた素振りで
 やり過ごす人たちも
 いつかはどこかにたどり着いてしまう





 いつかはそこにたどり着ける


 いつかはどこかにたどり着いてしまう




内側と外側


 こころのこえ

 こえとほほえみ

 ほほえみとなみだ

 なみだとあした

 あしたとゆめ

 ゆめとうつつ

 うつつのこころ

 こころの、


 チャンネルと受容体と輸送体が埋め込まれた
 二重膜を通過して、変換されて






 こころのあなた

 こころのあたし





はなび


 夕方にもなれば
 ようやくひとごこち
 のつける
 その風にふと
 あの人のかおり

 そらに溶けてゆくのは
 そらに溶けていったのは





ネガティブショコラ


 全部あきらめた
 と嘯きながら
 いくつものことを忘れてきた
 (つもり)
 甘いのか、苦いのか



  
  


自由詩 ゴル四題 Copyright AB(なかほど) 2022-07-22 21:07:04
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