夢の果て
ひだかたけし

脱色された
独りの夢の光景を
激痛走る眼底に、夜な夜なみる
甘美な不安に誘惑され
背後に控える兵士の顔は灰色
迷走する宇宙に終わりはなく
僕を自由にして、僕たちを自由にして、
不安に身をもたげる絶望が世界を覆う

汗まみれの冷え切った体が覚醒し
居場所を探して、居場所を探して
ひかり射す朝を抱き抱える

ひかり射す朝を抱き抱える




自由詩 夢の果て Copyright ひだかたけし 2022-06-14 21:03:23
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