A道化




淡い色の
薄絹の
蕾の、開くのと
同じ音の
朝が開いて


アスファルトの
日向には、金の時が
日陰には、銀の時が
満ちて


ああ
もう
これ以上幸福には
なれない


そんな不可能性に
手のひらと手のひらを
合わせ
指に指、指に指、指に指を
添わせた、形は


あ、
あ、あ、この形は
同じ音の、私は、この、形は
咲くまでもなく、丁度満ちている
ああ、蕾だ



2005.5.3.


自由詩Copyright A道化 2005-05-03 10:52:14
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