穴を穿つ
ひだかたけし

穴を穿つ
深く冷たい穴を穿つ
在ることを真っ二つに裂く
穴を穿つ
存在の不安に鳥肌立ちながら
存在の不安に恐怖しながら
独りの魂に穴を穿つ

爆発を繰り返す宇宙
遠去かる銀河
たましいの行方は、
たましいの行方は?

毎夜独り寝の床で祈っている
死を先送りしないようにと
死を全き意識のうちに迎えるようにと


穴を穿つ
深く冷たい穴を穿つ
在ることを真っ二つに裂く
穴を穿つ
存在の不安に鳥肌立ちながら
存在の不安に恐怖しながら
独りの魂に穴を穿つ

恐怖と自由の来歴を
手探りしつつ根源に辿る
予測不能な未来を手にした
それは同一の派生物
それはアクマが与えた賜物

やがて太陽が昇る朝、
すべては光に照らされて
天使の乱舞に還っていく




自由詩 穴を穿つ Copyright ひだかたけし 2022-06-02 18:41:17
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