女學生日記 十八
TAT
五月二十二日 月曜
天氣 晴
起床 五時二分
就床 十時三〇分
朝礼は教室
吉田先生より「忘れ物をしない事」について御注意がありました
体操の時 私は須藤さんと二人 飛箱が飛べ無い
あゝ私達二人の達に西組全体の人に迷わくをお掛けしてしまつた
申し譯が無い
あゝ神は私達二人にだけどうしてこんなに冷こくなのであらう
死ぬつもりでやれば出来無い事は無いやらう(しつかりと)
母が歸つた
裁縫箱と針山入れとふうとうを買つてきていただく
夜お風呂へ入つてねる
五月二十三日 火曜
天氣 晴
起床 六時〇分
就床 九時三七分
朝礼運動場
図画はビ|ルビンを出す
お晝休み吉田先生より私にのみ御注意があつた
叱られた事を話してみえる所は見た事はあるけれども私は一度も話した事はない
私が小宮さんとよくお話しをするのでそれであんな濡れ衣を着せられたのだらう
そんな事誰になんと言はれたつて何とも思はない
自分は知らない事なのだから
五月二十四日 水曜
天氣 曇雨
起床 六時二分
就床 十一時三九分
朝礼講堂
中山先生より御注意がある
体操は講堂で早く着る練習をする
横木で練習をしてゐたら豆の皮がむけてしまつた
ヒリ〳〵とする
作法は玉筆奉奠のやりかたをする
お晝休み吉田先生よりお話がある
「視力を護れ」といふ注意書をいただいた
教室のお掃除をすまして國語の書取をする
五月二十五日 木曜
天氣 曇
起床 六時五分
就床 十時二九分
今日は三田さんと二人 教室當番でした
歴史の時インキが一杯あかつてしまつた
お晝ピアノを見てゐただかうと思つて待つてゐたらゐらつしやいませんでしたので止めました
教室當番の時お晝休みに外に出るのですか
私は出るのかと思つて教室の中をきちんとしてから外に出ました
英語の試驗
一學期臨時試驗發表
五月二十六日 金曜
天氣 晴
起床 六時二分
就床 十一時二十五分
朝六時半に杉さんと學校に行つて飛箱を練習する
横木のけん水も練習する
体操の時間を園藝をする
温室の中の赤い花を折らしてしまつた
庭球を練習して歸る
五月二十七日 土曜
天氣 晴
起床 六時十分
就床 十一時〇分
夜 関校の講堂で「海軍紀念日の夕」といふ催しがありました
林正夫閣下のお話と児童の遊戯がありました
妹が出ましたので母と見に行きましたが行っては不可ないのですか
妹は「父よあなたは強かつた」を踊りました
お晝には原中佐の講演がありました
朝礼の時 米内大臣の朝礼訓話がありました
五月二十八日 日曜
天氣 曇
起床 六時三〇分
就床 十時二〇分
先生
中山先生(加納高女)清原先生(靜岡)福本先生(岐阜高女)の學校へ行かれるのだとお友達に聞きましたが本當ですか
カバ|シヤツを洗濯した