雨宿り
ミナト 螢

ぶら下げた傘に
手錠を掛けられて
動けない

その重さが
孤独と釣り合いながら
揺れている

昨日と同じ制服を着て
今日を示す証拠を探す

バス停にいれば
何処かへ行けると
信じている

誰かの傘は
閉じたままなのに
開きそうな花束に見えた

渡す人がいなくても
胸に抱く透明な匂い


自由詩 雨宿り Copyright ミナト 螢 2022-05-27 17:56:28
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