あおば



春の海岸に悠々と
鳶が舞っている
さざ波は絶えることなく
繰り返している

投げ釣りをしながら
無窮を感じていたら
餌のゴカイを売りにきた
しつこい売り方だと思ったら
海の精であった

あなたがたにも
性別はあるのですか
思いきって尋ねたら
昔は在ったが最近は放棄した
男が弱くて中性化してゆくので
それに合わせるしかないのだと言う
悲しい話だが事実は重い

本日の釣果は石カレイが2尾
観光客の私には満足だ
エンジンをかけて帰宅する
日帰りの海の旅でも
このような奇遇があるものだ
それ以来、海は部屋にやってきて
雨が降る日などには話しなどもする

4月になり
忙しいからしばらくはこれないと
Iモードのメールが届いた
無窮の海にも気を使ってもらい
有り難いがすこし恐れ多い
空の青さと海の青さを
私は心から敬っている
 


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作 2000.04.17


自由詩Copyright あおば 2005-05-01 20:59:46
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