開戦前夜(一)
おぼろん

ラゴスは、サンクト・ガリの代わりに、
ナハテ・ガルの丘に布陣を敷いた。
その数は四万。その他に、各地にある砦にも、
千人ずつの兵士たちを配置した。

アースランテがどこから攻めても良いように、
各地の連絡網には確実さを喫した。
アウゼル・ローガンテは、この結果に満足していた。
クールラントの援軍は、ラゴス南東部にあるワイジェの丘に拠点を置いた。

クールラントの役割は、あくまでもラゴスを補助することである。
言われなき理由によって、ラゴスを支配しようという噂を消すためでもある。
アウゼル・ローガンテはクールラントの国王ジギリスに書簡を送った。

「絶対に、こちらから手を出してはならないでしょう。
 あくまでも、まずはアースランテに戦端を開かさせるのです」
しかし、実際にそれを目にしたのは祭祀クーラスであった。


自由詩 開戦前夜(一) Copyright おぼろん 2022-04-08 06:59:50
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩