永遠の思い出とは
番田 

昨夜、眠ることができずに昔のことを思い出していた。毎年家族で、盆休みになると、僕は帰省をしていた。僕は、あの、最初の記憶は、小学二年の時だったと思う。最初はいた、そして、兄や母がやがて来なくなり、父と二人で、でも、帰省していた。僕は中学生になった頃のことはあまり乗り気ではなかったというのもあって、最近のことではあったが、よく思い出すことができなかったのだ。何をして、そこで何を食べたのかということすらも。印象的だった出来事のことをパズルのように組み合わせてつないでみたり、バラしてみたりしていた。よく覚えていたのは、でも、昔のことばかりだ。それも、忘れかけてはいたのだけれど。


一人で出かけたことのあった、海外旅行。その、景色や味が思い浮かぶ、最近の出来事はやはり鮮明に思わさせられる。記憶力が若い頃よりも薄れてきたような気もするが、どうすれば、記憶に残されるような行為ができるものなのか。楽しかったはずだった場所に、そして、戻ってみても、虚しさだけが、それとは異なるものとして感じられるのはいつものことだった。だから僕は考えてしまう、僕の華やかな色や、おいしい味や、やさしかった人の記憶として、心に残しておきたいと思うことを、いつまでも。


散文(批評随筆小説等) 永遠の思い出とは Copyright 番田  2022-04-07 01:17:22
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