ひと時の休息(一)
おぼろん

ラゴスとクールラントの同盟がなった日、
祭祀クーラスは王宮のテラスで微笑していた。
「これでクールラントはわたしのものになる。
 名実ともに祭祀ドルイドが統治することになるのだ。

それを遠巻きに見つめている者がいた。
祭祀クーラスの妻、フフリナである。
フフリナは祭祀クーラスに近づいて行って言った。
「何をなさっているのですか、あなた」

「何。今後のクールラントのことを考えていたのだ」
「クールラントはラゴスと連合したのですよね、
 その後の心配はないのですか。ラゴスに支配されるとか……」
 
「心配ない。その後の手はもう打ってある。
 お前は何も心配しなくても良いのだ。クールラントは永遠だ」
その時祭祀クーラスも、自らが血染めの道を行くとは思っていなかった。


自由詩 ひと時の休息(一) Copyright おぼろん 2022-04-06 20:28:11
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩