訪問地の風景
番田 

僕はご飯がうまかったのではあったが
出かけた 緑の中を そして
あれは雨の日だった
雨の景色を見ていたのだ
僕は小さな市電に乗って 街に出た
石畳の景色を春に見て 訪れていた
モナコのサボテン植物園も 僕は
春だったと記憶させられている
女の子の怪しい男に盗まれた体の記憶と
サラダの味を あの日本人のレストランで
働いていた あの本屋で
今でも金がすべてだろうかと思うのだ


この街では元気は無かったけれど
スーパーは三件あった
電車を使う必要がCDショップに行くにはあった
桜も散り 忘れていった
枯れ葉がその思いを覆うかのように散り
昔のことばかりを書いていたのだろうと思う
日記に今を生きていることすらも そうしていた時には
句読点を ストーブを付けては 
冬に打っていたのかもしれない


そして眠っていた 僕は広い草原を
思い描いていた 花畑の寒い日は 僕は
昔北海道で見たことのあるレストランの
馬が走っていた欧州のような景色を 食事をすると
途中に行間をつくって それから
いつのことだったのかは思い出せないが
緑の人参を食べていた
赤いピーマンが美味しかった
あれはきっと外だったのだろうと思う


自由詩 訪問地の風景 Copyright 番田  2022-04-03 20:36:32
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