僕の豚はきみの豚
花形新次
もしも僕が
好きなだけ食べて良いよって
言ったら
きみは黒豚ヒレカツの特上を
四人前頼むに違いない
それにたっぷりの辛子と
ソースを付けて
白い飯にワンバンさせて
食べ続けるんだね
キャベツや味噌汁が
食べ放題だって
そんなの眼中なしで
僕はロースカツを頼むけれど
きみは自分の分に
がっつきながらも
視線は
僕のロースカツに釘付けさ
今日も僕は
ソースに浸したキャベツをおかずに
ご飯を食べることになるんだね
でも
きみに気にして欲しくはないんだよ
だって
そんなきみを見ていることが
僕にとって一番幸せなことだから
僕の豚はいつだって
きみの豚なんだから