回転草
坂本瞳子

満たされない心は
どうすればいいのか
作り笑いをしても
誤魔化せない気持ちが
タンブルウィード
砂漠を転がり続ける
あの植物のように
空回りを続けている
目指すところもなく
風に吹かれるまま
このままいつまでも
渇いた気持ちが
潤されることは
オアシスやパラダイス
癒やしなどは決して知らず
気づいたときには
朽ちていくのだろう
そんな未来が見えても
抗うことすらできず
錆に塗れて堕ちてゆく
天空に一瞥をくれることもなく
翼を拡げることなく
奈落の底へと
残酷なまでに
この上なく
緩やかな速度で


自由詩 回転草 Copyright 坂本瞳子 2022-03-17 22:53:15
notebook Home