シンフォニー
e R i

新しい靴は痛い
痛くない靴は選べない
長く歩くコトより、カッコ良く歩くことより
はきたい靴を選ぶ

靴音は、アスファルトに響いて跳ね返る

愛している煙草のパッケージ
これだけは変わらなかった、キャスター3?
中途半端な甘さがよく似合う
なんて、カッコつけたセリフが心に浮かんだのは
あっけない行為を済ませたばかりの湿ったシーツの上

新しい靴は痛い
痛くない靴はどこにもない
それでも、傷を付けない方法を
みんなちゃんと知っている

何本目かの煙草に火を付けるライターが
あの頃と同じではあまりにも甘さが増すから
コンビニで100円を投げた
自分を守るためだけの、賽銭
神様に祈るだけの、願い

新しい靴は痛い
かかとも、こゆびも
だけど嬉しくて、楽しくて
どこまででもゆけそうな気になる
痛みと引き換えに、新しい道がうまれる

かかとで鳴らす靴音に、煙草の吸い殻踏みつけた

アスファルトの、小さな共鳴


自由詩 シンフォニー Copyright e R i 2005-04-30 01:55:23
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