手放したわけでも
あらい

来たるべき日の訪れを 縋るための妄執で うちにまぎれる
ひざまずき蕾に授けるための失念 白昼夢の天球は一部分で

    カモフラージュの雨月かも。計画は順当に、

       ともしびともすれば、吃る
        ほねおりほど、ちかく
        ほおずりほど、こわい。

はんぶんの適齢期は 同じ仕草で渡す
  「いくつか、だね」勝手気ままに切り別れた真珠の層を
    百色眼鏡のよう ひとつかんで、耳打ちする。

         群青分梅というわけ

今、のべるための 枝に、見返りは終夜 なきがらのそばで
   くろねこに やなぎかぶりいる 暮れにおいて
くびをもたげ 若葉あり、地平線と帰する所 水に馴染んで
   略歴も 鮮烈に、直交するだけの かえり際に
めがくらむ。それで口に移して、暁更と種を蒔く。けれども
   心頭 明け残る、月や 星が 空に漂っている

         はらにおさめて 
         わたしははじめて 
         躰を得ることになる
        
――ぱぱ
  あなたがそうを信じ それで 骨格を失くしました
それで綻びる。まにまにさめきった、青白い海に飛び込む
死んだふりをする、そのように熱を待ち わびている、と
                   『はは』と咲ワラう。

    深窓は知っていて、笑み割れるようでも
                
今年もまたそんな季節にあたる
    ただ少しばかりくたびれた道に、きみとぼくがいる
(つつがなくさま あたえる)    みな、それだけです。


自由詩 手放したわけでも Copyright あらい 2022-01-31 19:38:58
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