東京の今晩は
ひだかたけし
警報機が波打つように鳴り響き
降りしきる雨、立ち尽くす人
遠くを追いかけ少年が走っていく
雨に濡れて
焦ることは少しもない、
すべて終わっていくのだから
すべて始まっていくのだから
終わりを内包して進むこと
始まりを予感して立ち止まること
警報機が波打つように鳴り響き
吹き荒ぶ風、立ち尽くす人
少年は遠くを目指し駆けていく
風に吹かれて
風に吹かれて
自由詩
東京の今晩は
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ひだかたけし
2022-01-21 18:55:29
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