はつゆめと夢
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今日は川はにごりなく
深く沈めた自転車がよく見える
ついついと音を立て
外資系お洒落喫茶店の紙袋は
町角で丁度よく破れ
仔猫のようにこまかに震えてた
わたしの胸にうまれやまぬ
美肉の缶づめ
波うつ
切り口で鎬をけずりあう
小径をうずめるま白い蛾
にぎりしめる夢
ちいさい頃の癖をくり返とすれば
大人と子どもの境界線はそこら中にあって
夢の原っぱの夕暮れに
空手チョップをくり返すんだ

みどりの砂洲
青鷺に擬攻撃する鷗の群
それがもし一撃で貫かれたとしたら
解放は彼等のものになっただろうか?
一定に加速しつづけられたら、未来の前に
ぼくは全部の衣服をはぎとられて
綺麗に老いて
綺麗な死を
左手から
迎えいっぽんくり出す指サイン
ちいさなモニターに収まった
あこがれのキラウエア火山
そんなはつゆめと夢
夢の川底で缶けり
閉じた踏み切りを
紫の花びらが浮かんで過ぎゆく



自由詩 はつゆめと夢 Copyright soft_machine 2022-01-03 20:14:16
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