ただ自然のままに
ハァモニィベル
美を探ることは、ときに醜を暴くことになる
だが、自然の中でその両方は抱擁し同化している
落葉が積もり
雑草が生い茂る
自然の中では鳥獣の糞さえ風趣の一つだ
それは人の心も同じかもしれない
狭い庭のあちこちに、ときに落葉の渦が巻く
*
ただ、人間の欲と欲だけは、自然の中で
妙に不調和な醜悪と化すようだ。
自然のリズムが、きっと何かに耐えきれず、
大地震 となるぐらい
奥にある心のリズムもまた、巨大な振動をまき起こす。
たちどころに 欲と欲への 内なる〈自然〉の報復が
応報めいたリセットの瞬間の剣を振り下ろして来る。
*
そんな時にだけ、ヒトは、自らをただの半人半獣と知るのだろうか・・・
そんな時にこそ、ひとは、《愛》を確かめ合える筈だろうに・・・
ただそこかしこに在る見せかけの調和が、
実は本当は不調和なのだと 気づく粛な 眼の深さだけが
醜も観えるし、美にも気づける。ただ、ありのまま、自然のままに。