喫茶店にて
坂本瞳子

開いた手をいつ閉じたらいいのか
そんなことを考えていた
決してつまらなかったのではないけれど
なにを話したらいいのか
どう相槌をうったらいいかなんて
さっぱり分からなかった
水を飲むタイミングさえも
スプーンもつかみそこね
足元で空を蹴り
苦笑いも出来なかった
もう一刻も早く逃げ出したかった
ただそれだけだった


自由詩 喫茶店にて Copyright 坂本瞳子 2021-12-26 22:45:27
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