「 ぷっちんぷりんは揺れている。 」
PULL.




旅に出よう!。
そう思い立ったとき、
手にはテレビのリモコンが握られていた。
画面ではバスタオルを巻いたオネイチャンが、温泉のレポートをしている。

濡れたタオル越しに、
ほんのりと透けるオネイチャンの胸は、
ぷっちんぷりんを連想させた。

余談であるが、
ぷっちんぷりんはわたしの大好物である。
あのぷるんと震える質感が、たまらなくわたしを魅了するのだ。


危険な予感が、
口の中に広がった。

あのぷっちんぷりんは、二つある。




ぷっちんぷりんは揺れている。






予感が、

つうと糸を引いた。




わたしはここに告白する。
足下の畳を濡らす液体が、わたしの唾液であることを。

そしてわたしは認めよう。
わたしの手が、既にリモコンではなく別のものを握っていることを。



加速する手の動きに、
わたしは我を忘れた。





一瞬の白い空白のあと、
けだるい罪悪感が、呟いた。



旅に出よう。
右手は、もう飽きた。









自由詩 「 ぷっちんぷりんは揺れている。 」 Copyright PULL. 2005-04-29 11:26:40
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