ふえ
soft_machine

ふぞろいな孔をのぞくと
公園の陽ざしと歌のたまごでいっぱいで
はやく息をふきこんでとせがむ
柵のむこうでくちばしを打つ烏も
まだかいまだかいと鳴いている
あまい唾液もながした

冬の空に投げあげられたいっぽんのくだ
かじりのこされた中空を
偶然がつっとなぜてゆく
人のものでなくなって
おんがくになって
ゆびとくちびるになって



自由詩 ふえ Copyright soft_machine 2021-12-12 23:41:35
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